いとおしい、くらいに、なつかしい

「いとおしい、くらいに、なつかしい」



何の脈略もなく、突然、古い記憶がよみがえる時がある。 古い記憶といっても 「なんでこんなこと覚えてるんやろ私、しかもなんでこんな時に思い出すんやろ?」 と自分でも不思議になる類のものなのだった。 昨夜突然、寝床の中で思い出したのは、故ジャイアント馬場さんのコメント 「別に寝る前にコーヒーを飲んでも私は全然ぐっすり眠れますよ」 というもの。 しかもこの馬場さんのコメントは、ことあるごとに、何度も思い出す。 うーーむ。謎。 同じようにその昔テレビで観た漫才のやりとり。漫才をやっている人たちが誰だったのかは思い出せないけど、やりとりだけはしっかり覚えていて、ことあるごとに思い出しては、ふっと笑ってしまう。こんなやりとりだ。 「消しゴム貸して」 「いやや」 「そんなんいわんと、かしてーなあー」 「いややいうたら、いやや」 「消しゴムくらい貸してくれてもええやんか。へるもんでもなし」 「なんでやねん。つこたらへるやろが」(軽いつっこみ) 会場に小さな笑い 「そんなんいわんと、貸してえなあ」 「いややいうたら、いやなんじゃ」 「ほんまにケチやなあ。。もうええわ。自分の使うから」 会場大爆笑 というものだ。何度思い出しても笑ってしまう。 こうやってあらためて表記すると、とくにどうってことない、さほど面白くもないベタなやりとりだけど。 よほどその時の私にとってそのやりとりが面白かったのだろう。小学生くらいに観たのだと思う。 今でも思い出すたび、当時めちゃめちゃ受けていた自分のことを思い出し、テレビの中の笑い声に合わせていっしょに笑っていた時の「心地よい感覚」のようなものを思い出すのだ。 妙なことだけど、その「感覚」が、いとおしいくらいになつかしいのだった。

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